E資格

【合格体験記】新人エンジニア E資格の結果と教材<試験対策編>

2021年10月10日

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 2021年8月27日(金)・28日(土)に開催されたE資格 (2021#2) に、20代の新米エンジニアが無事合格しました!
 ディープラーニング技術者を目指すにあたって、登竜門の一つとなっています。多くの人が、キャリアアップを目的に、E資格を受験しようかなと思いを巡らせていると思います。
 この記事では、E資格の受験を検討している人に向けて、E資格を合格するまでの体験談を数回分の記事に分けて、紹介します。

おすすめの読者

  • E資格に挑戦したいと考えている
  • E資格の合格に向けた試験対策の流れを知りたい
  • E資格の合格に必要な勉強量を知りたい

E資格とは??

E資格とは、日本ディープラーニング協会 (JDLA) が主催するエンジニア向けの「ディープラーニングを実装するエンジニアの技能を認定する資格試験」となります。

https://www.jdla.org/certificate/engineer/

E資格の試験対策をどのように進めたのか?

 今回の記事では、下の3つの構成要素に分けて、私がどのようにE資格の試験対策を進めたかを紹介します!

  • どのような教材を使って試験対策を進めたのか
  • どのように試験対策の勉強を進めたのか
  • 実際,どのくらいの勉強量で試験に挑んだのか

どのような教材を使ったのか? → 黒本と「zero to one」の演習問題

 E資格の試験対策のために、使った教材は以下の2つです!

  • 徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集(通称、黒本)
  • zero to one の演習課題

 主に 徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 (通称黒本) を使って、勉強を進めました!
 JDLA認定講座に付属している演習課題で進めていくのも良いと思います。
 ただし、E資格の受験料が約3万円程かかることもあり、黒本での学習も進めて、確実に合格できるように試験対策を進めました。


黒本はE資格試験対策に最も適している教材!ただし、注意点もあり

  徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 (通称黒本) は私がE資格を受験した時点では、唯一のE資格問題集となります。

 私が購入した時点では、「徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版」(2021年6月1日初版)として、販売されていました。

 構成は以下のようになっています。第1~9章までが機械学習基礎、第10~18章がディープラーニング、第19章が総仕上げとなっています。

第 1章 線形代数
第 2章 確率・統計
第 3章 情報理論
第 4章 機械学習の基礎
第 5章 前処理・特徴選択・性能指標
第 6章 モデルの評価・正則化・ハイパーパラメータ探索
第 7章 教師あり学習の各種アルゴリズム
第 8章 教師なし学習の各種アルゴリズム
第 9章 強化学習の各種アルゴリズム
第10章 深層学習の概要
第11章 順伝播計算と逆伝播計算
第12章 最適化手法
第13章 畳み込みニューラルネットワーク
第14章 再帰型ニューラルネットワーク
第15章 深層学習を用いた自然言語処理
第16章 深層学習を用いた生成モデル
第17章 深層学習を用いた強化学習
第18章 開発・運用環境
第19章 総仕上げ問題

黒本が優れている点

 E資格の試験対策として、人気を集めている黒本であり、私も効率良くE資格の試験対策を進める上で、非常に役立ちました!
 私が特に黒本の優れていたと感じた点を挙げていきます。

黒本が優れいてる点

  • E資格試験対策の唯一の書籍ベースの問題集であること
  • 解説が非常に丁寧
  • 実際の試験と同様の多肢選択式であること
E資格試験対策の勇逸の書籍ベースの問題集であること → 勉強に集中できる

 2021年8月の「2021#2」受験時では、唯一の書籍ベースの問題集であります。
 私のような、「勉強は本で進めていきたい!」という方には非常におすすめです。
 PCでの勉強の場合、YouTubeやSNSの誘惑と隣り合わせの状況で勉強を進める必要性があります。
 私自身、そこまで根気強い人間ではないため、PCベースでの勉強では効率が悪いことを重々理解していました。

 そんな中、黒本は書籍ベースで学習を進めることができるツールであるため、非常に重宝しました!
 付箋をつける、書き込みを入れる、マーカーで強調させるなど、受験勉強風に学習を進めたい人にはおすすめです!

私が実際に使用していた黒本、付箋が試験対策の跡を物語っている笑
私が実際に使用していた黒本、付箋が試験対策の跡を物語っている笑
解説が非常に丁寧、業界の第一人者による解説

 黒木の特徴として、「設問に対する解説が非常に丁寧」が挙げられます!
 JDLA認定講習に付属している課題演習の場合、設問に対する解説が簡単すぎることがしばしばありました。
 間違えた設問の深堀は、自分自身で再度調べて直すことが必要でした。

 一方で、黒本は設問に対する解説が非常に丁寧です!
 問題集の本来の使い方とは異なりますが、設問と解説をセットで読み進めて、E資格のシラバスの内容を理解することも十二分に可能だと思います!

 例えば、ある設問に対する解説を述べる際に、黒本では回答の下になる単語だけではなく、その単語の解説までを含めて行っています。
 例えば、「GAN」にまつわる解説を行う際に、まずはじめに言葉と式ベースで、GANの詳細を説明したのちに、本題である問題の解説を記述しているような流れです。

 JDLAの認定講座では学ばなかったが、黒本に書いてあることで、初めて理解できた点も多々ありました。
 JDLAの認定講座で十分に学んだ、それらの再確認・見落としている点の確認という意味においても、黒本は絶大な効果を発揮すると思いました!

実際の試験と同様の多肢選択式であること

 これは、JDLAの演習課題でも同様のことが多いと思いますが、E資格の試験と同様の多肢選択式での問題設定となっています。
 E資格の試験スタイルに慣れるという意味においても、黒本で慣れておくことが大事かと思います。

黒本が優れていない点

 黒本はE資格の試験対策において、非常に有用な本であると感じました。
 一方で、黒本を使っている中で、優れていないなと思う点がありました。

黒本が優れいていない点

  • 値段が高い
  • 誤植が多い
  • ディープラーニングの最新技術のフォローは難しい
値段が高い

  「徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版」(2021年6月1日初版) は定価6,050円です。非常に高いです。重ねて言います、非常に高いです。

 一方で、高い講座費用と受験料を既に支払っている状況で、合格率を上げるための約6千円の投資と考えると、安いのかもしれません。
 E資格の試験に落ちてしまい、サンクコストの沼にハマることとは避けたいので。。(沼回避のための投資と考えれば安いはず)

 今後、黒本も新しい版が発売されるかもしれませんが、価格が安くなっていくことを願っています。
 E資格受験者が増えて、黒本の売り上げ冊数があがると、価格は下げられる方向に向かうのでしょうか?
 それとも、黒本が唯一のE資格の問題集である限りは、価格は維持されるのでしょうか??

誤植が多い → 黒本を買ったら、最初に正誤表の反映を!

  「徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版」(2021年6月1日初版) は初版であったこともあり、誤植が非常に多いです。
 実際に演習問題を進める中で、誤植に気付いた後に、正誤表の内容を私の書籍に反映を行いました。

https://book.impress.co.jp/books/1118101176

 また、正誤表に記載されているもの以外でも、数か所誤植があったりしました。
 例えば、私が見つけたものでは、p53の連続型確率分布のKLダイバージェンスの式が誤っていたり。。

 本は版を重ねるごとに質が上がっていくかと思います。
 今後黒本を購入される方は、新しい版の購入と買ってすぐに正誤表の反映することをおすすめします。

ディープラーニングの最新技術のフォローは難しい → JDLA認定講座かネット記事を参考

 書籍特有の課題ですが、ディープラーニングの最新技術周りを黒本でカバーしようとすると、抜け漏れが発生することがあります。

 書籍の場合、執筆・校正・出版と情報の更新に時間を要します。
 そのため、書籍でディープラーニング周りの最新技術の試験対策をすると、情報や知識の抜けもれが発生する可能性があります。

 実際、2021#2の回では、Twitter上で、「黒本の載っていないディープラーニング周りの知見を問われて、回答できなかった」という声が散見されました。私自身もそのように感じました。

 ディープラーニング周りの最新技術の知見を獲得するためには、情報の更新速度が速い、ネットベースの学習方法、JDLAのオンライン演習課題やネット記事を参考にする方が良いと感じました。

どのように試験対策の勉強を進めたのか、最初に敵を知る

 私は以下のように、E資格の勉強を進めました。

試験対策の流れ

  • 黒本の総仕上げ問題で、E資格の試験内容とレベル感を掴む
  • 黒本の各章問題を反復学習することで、内容理解を進める
  • JDLAの演習課題で最終確認をする
黒本の総仕上げ問題で、E資格の試験内容とレベル感を掴む → 敵を知る

 「あれっ?最初に総仕上げ問題を解いたんですか?」
 はい、最初に総仕上げ問題を解くことで、敵(=試験問題)を知ることから始めました。

 機械学習とディープラーニング知見は事前に持ち合わせていたものの、「E資格の試験スタイル」は十分把握していませんでした。
 最初に総仕上げ問題を解くことで、E資格の「レベル感の把握」を行いました。
 敵を知ったに、対策を立てていくイメージです。

 「レベル感の把握」を進めることで、特にディープラーニングの範囲では下記の2つの事項が大事であることを掴みました。

  • ディープラーニングの基礎技術に関して、実装レベルで詳細に学習する
  • ディープラーニングの応用技術に関して、知識レベルで学習する

ポイント

ディープラーニングの基礎技術の勉強の進め方

  • 基礎技術とは、ディープラーニングに広く使われている計算・学習アルゴリズムを指す
  • 具体的にはフィルタ処理や最適化手法が該当する
  • 基礎技術は自分で実装できるレベルで習得をする
  • 試験でも実装問題として出題される
  • 追加勉強は書籍やネット記事で進めるのが良い

ディープラーニングの応用技術の勉強の進め方

  • 応用技術とは、ディープラーニングの基礎技術を発展させた手法
  • 具体的にはGANの発展系等が該当する
  • 応用技術は自分で説明できるレベルで習得をする(実装レベルまでは問われない)
  • 試験でも知識の4択問題として出題される
  • 追加勉強はネット記事中心で、和訳されていない最新論文まで追う必要はない

 これらの求められているレベル感の話に関しては、「講座受講編」にも記載しております。

 また、E資格特有のプログラミングの穴埋め問題のレベル感・出題形式も把握することができました。

黒本の各章問題を反復学習することで、内容理解を進める

 総仕上げ問題で、何となく「E資格」のスタイルになれた後に、各章問題でJDLA認定講座で学んだことの復習・アウトプットを進めました。

 総仕上げ問題と比較すると、各章問題の設問難易度は上がっています。各テーマに対して、深堀りがされています。
 中には難易度が高いものもあると感じました。最初から完璧に答えられなくても、問題はないかと思います。
 各章問題の難易度設定は、本番のE資格の試験と比較すると、少し高めになっていると思います。

反復学習で黒本の内容を頭に叩き込む

 私はこの黒本を合計で4周しました。

ポイント

  • 1周目:すべての問題を解く
  • 2周目:1周目で間違えたところ & 自分の苦手分野を解く
  • 3周目:2周目で間違えたところを解く
  • 4周目:(テスト前日)1度でも誤答した設問 & 自分の苦手分野を復習

 4周目にもなってくると、完全に黒本の内容が頭に入っていました。
 ただし、この勉強方法はかなりの部分を黒本に頼るため、「黒本の心中する」という強い覚悟が必要です。

書籍ベースでプログラミング問題を解くことに慣れておく

 注意点として、黒本を使って、「書籍ベースでプログラミング問題を解くことに慣れておく」とことが大事です。

 JDLA認定講座では、プログラミング演習課題を通じて、E資格の試験対策ができました。
 しかし、E資格の本番では、デバッガーなしで、頭の中でイメージを持ちながら、設問に回答していく必要性があります。

 特に、普段からPythonを使用していない人は、numpyの配列の次元がどのように扱われているかを注意する必要性があるかと思いました。黒本の設問では、np.sum(xxx, axis=?)のような、axisの方向も問われている設問が散見されます。
 デバッガーなしで、すべてのプログラムの流れを把握したうえで、配列の次元を意識することは、普段からPythonを使用している私も、頭の整理をしないといけない場面が多々ありました。
 黒本の内容をすべて写経して確認する必要はないかと思いますが、気になったソースコードの一部だけをPythonの対話モードで確認する等を心がけるとよいのではと感じました。

JDLA認定講座の演習課題で最終確認をする

 最終仕上げとして、私は受講していた「zero to one」の演習課題で確認を行っていました。
 「zero to one」のE資格対策向け演習課題はそこまで解説が充実していないものの、課題数は豊富に用意されていました。
 そこで、黒本で固めきった試験対策の内容を「zero to one」で最終確認をするという形で進めました。

 もし、JDLA認定講座の演習課題の解説が充実していない場合は、黒本での勉強成果の仕上げ確認として活用するのが良いかと思いました。

 「zero to one」での講座受講に関しては、別記事にて紹介しております。

実際,どのくらいの勉強量で試験に挑んだのか

 JDLA認定講座の受講時間を除いて、E資格の試験対策には9日間費やしました。1日当たり、4時間ぐらいをE資格の試験対策に充てていました。
 試験対策のために確保した時間は40時間弱となります。

E資格の試験対策に費やした日数

  • 8月11日(水):黒本の総仕上げ問題を解く
  • 8月12日(木):黒本の各章問題を解く(1周目)
  • 8月13日(金):黒本の各章問題を解く(1周目)
  • 8月14日(土):黒本の総仕上げ問題の間違えた設問を解く(2周目)
  • 8月15日(日):黒本の各章問題の間違い設問を解く(2周目)
  • 8月16日(月):黒本の各章問題の間違い設問を解く(2周目)
  • 8月21日(水):黒本の各章問題の間違い設問を解く(3周目)
  • 8月22日(水):「zero to one」のE資格対策演習課題を解く
  • 8月27日(金):黒本の各章問題の間違い設問を解く(4周目)
  • 8月28日(土):E資格の試験日

 E資格の試験日前にお盆休みがあったこともあり、運良くE資格のための勉強時間を確保することができました。

 私自身、情報処理技術者試験の応用情報技術者に合格しているのですが、同程度の勉強量が必要であるなと感じました。

 正直、黒本がなかったら、ここまで効率的に試験対策勉強は進めることができなかったと思います。
 黒本様様です。。

まとめ

 今回の記事では、2021年#2のE資格に向けて取り組んだ、試験対策の内容を紹介しました。

まとめ

  • E資格の試験対策の体験談を紹介
  • E資格の試験対策には、黒本がおすすめ。ただし、使い方・使い分けには注意が必要
  • E資格の試験対策には、40時間弱を費やした

E資格を受験しようか迷っている方が、「挑戦してみようかな!」と思っていただければ、幸いです。
その他、E資格関連の記事も参考にしていただけると幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

  • この記事を書いた人

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