2021年8月27日(金)・28日(土)に開催されたE資格 (2021#2) に、20代の新米エンジニアが無事合格しました!
ディープラーニング技術者を目指すにあたって、登竜門の一つとなっています。多くの人が、キャリアアップを目的に、E資格を受験しようかなと思いを巡らせていると思います。
この記事では、E資格の受験を検討している人に向けて、E資格を合格するまでの体験談を数回分の記事に分けて、紹介します。
おすすめの読者
- 人工知能や機械学習に必要な知識を体系的に身に着けたい
- E資格に挑戦したいと考えている
- E資格の合格で得られるものを知りたい
E資格とは??
E資格とは、日本ディープラーニング協会 (JDLA) が主催するエンジニア向けの「ディープラーニングを実装するエンジニアの技能を認定する資格試験」となります。
E資格の受験のためには、「JDLA認定プログラム」の受講が必要です。
私はオンライン型の講座を受講しました。受講費用が高額なので、注意が必要です。
2021#2 の受験結果は??
JDLAが2021年9月17日に発表した結果によると、
2021年8月27日(金)・28日(土)に開催されたE資格 (2021#2)
- 総受験者:1,170名
- 合格者数:872名
試験終了後、Twitterでは「難化した」のツイートがたくさん見受けられました。JDLA認定講座の問題集や通称黒本の問題と比較すると、少し難化したのではという印象を、私も受けました。
しかし、結果的に合格率は例年とあまり変わらず、約75%となりました。
私の各分野の得点率は以下のような感じでした。
- 応用数学:7割前半
- 機械学習:6割後半
- 深層学習:7割後半
- 開発環境:7割前半
正直、各分野8割前半は取れている自信はあったので、すこしがっかりしました。
(合格していたらOKなので、気にしない!笑)
JDLAから公式に合格ラインは発表されていません。他のE資格のブログやTwitterを参考にしてもらうと、ある程度の合格ラインが見えてくるのかなと思います。
合格者・不合格者を含めた各科目の平均得点率は以下です。
- 応用数学:67.16%
- 機械学習:73.49%
- 深層学習:63.84%
- 開発環境:66.54%
私の点数と比較すると、「機械学習」は平均を下回っていますね。問題・回答をほとんど忘れてしまったので、何が悪かったのかはわかっていません。
個人的には、情報処理技術者試験の応用情報技術者試験と同等レベルの難易度のように感じました。
合格までの道のり
受験前のスペック
E資格の講座を受講する前の、私のスペックは以下です。
- 大学院修士卒
- 研究室では画像処理と機械学習が専門
- 企業エンジニアとしても、画像処理と機械学習が専門
- 時系列データ処理と強化学習は全くの素人、数学的知識も所々忘れかけている
- ディープラーニングのフレームワークの使用経験有(主にPytorch・Caffe)
研究室では画像処理と機械学習が専門
企業エンジニアとしても、画像処理と機械学習が専門
ディープラーニングのフレームワークの使用経験有(主にPytorch・Caffe)
画像処理に関わる知見は、プログラム実装ができるレベルで習得をしていました。
大学の研究室で、画像処理をC++(OpenCV)、機械学習をPython(Pytorch・Caffe)で実装した経験がありました。
現在も、大学院での専門領域での知見・技術を生かして、業務を進めています。
そのため、画像処理に関わる機械学習の範囲は、ある程度の事前知識を持っていました。
時系列データ処理と強化学習は全くの素人、数学的知識も所々忘れかけている
一方で、時系列データ処理や強化学習に関しては、実装したこともなければ、理論もさっぱり知りませんでした。「Alpha Goは強化学習らしい」ぐらいの知見しか持ち合わせていませんでした。完全に素人に近い状況です。
また、数学的知識も、多くの部分が消え去りかけていました。
(最適化手法を数学的に説明しきるのは、自信がないレベル。)
そのため、特に自分が実装したことがない・知見がない部分に集中して、勉強を進めました。
一方で、機械学習の事前知識は持っていたので、分野別得点率が8割を超えなかったのは、残念としか言いようがありません。笑
試験当日までの勉強は?
試験当日に向けて、以下の流れで勉強を進めました。
ポイント
- JDLA認定講座にて、オンライン講座を受講する
- JDLA認定講座に付属していた、問題集で勉強する
- 「徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集(通称、黒本)」で勉強をする
JDLA認定講座の受講後は、「 徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 (通称黒本) 」を徹底的に復習することで、試験対策を進めました。
オンライン講座受講・問題集での勉強は、別記事に分けて紹介したいと思います!
E資格の合格で得られたものは?
E資格の合格で得られたものは以下です。
- ディープラーニングフレームワークの背後で動いている数学的挙動がわかる
- 画像処理以外の機械学習の知見・事例
- JDLAの合格者コミュニティへの参加権
ディープラーニングフレームワークの背後で動いている数学的挙動がわかる
PytorchやTensorflowのディープラーニングフレームワークを活用すると、それらの背後で動作している数学的知識を完全に把握している必要性はありません。フレームワークが内部で勝手に小難しい計算を自動で行ってくれます。
ただし、機械学習を実際の現場で運用するエンジニアには、それらの数学的背景知識が必要とされます。一例ですが、運用面において、考慮すべき点が多数存在します。
- 機械学習モデルの性能を改善させるために、次に取るべき手段は?
- 機械学習モデルを正しく評価するための手法・知識
- 機械学習モデルがなぜそのような挙動を行うかの説明(説明性担保)
これらを考えるうえで、「なんとなくフレームワークが行ってくれるから」の断片的な知識だけでは不十分です。きちんと理論・数学的知識を把握したうえで、機械学習を用いたシステム・アプリケーションを運用する必要性があると思います。
E資格では、機械学習の基本となっている知識についても学習することができるため、「エンジニア向け」の資格試験であるのであろうなと感じました。
画像処理以外の機械学習の知見・事例
E検定では、画像処理だけではなく、時系列データ処理や強化学習についても、学びを深めることができました。
私は画像処理を専門分野にしていたエンジニアであり、「画像処理向けの機械学習は知っているが、その他の機械学習はよくわからない」という状況でした。
「機械学習」を軸に知識の幅を広げるには適していると感じました。
JDLAの合格者コミュニティへの参加権
E資格に合格すると、CDLE (Community of Deep Learning Evangelists) のSlackへ招待されます。私は参加したばかりなので、まだ実情がよく掴み切れていません。
CDLE内には、G検定/E資格試験の合格者がいらっしゃるので、AI界隈の横のつながりを広げるには、最適なコミュニティなのではと感じました。
一方で、合格から4日経過時点で得られていないものは以下です。
- 昇給(超重要!)
- AIエンジニアに関する仕事の紹介
資格試験に共通して、取得することに意味があるわけではなく、それをどう生かすかが重要なのでしょうね。
まとめ
今回の記事では、2021年#2のE資格の結果を紹介しました。
まとめ
- E資格の概要と2021年#2の結果がわかる
- 機械学習の事前知識がある人でも、一定量の勉強は必要
- 「講座受講」・「試験対策」は別記事にて紹介予定
E資格を受験しようか迷っている方が、「挑戦してみようかな!」と思っていただければ、幸いです。
その他、E資格関連やその他記事も参考にしていただけると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!