社会人ドクター

【社会人ドクター】ソフトウェアエンジニアの博士号取得までの道のり

2023年4月4日

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この記事では社会人ドクターが博士号を取得するまでの道のりを紹介いたします!企業で働く傍ら、社会人ドクターとして博士号を取得しました。社会人ドクターの学位を取得するまでの時系列・道のりを博士修了要件を絡めながら、紹介いたします。

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この記事では社会人ドクターが博士号を取得するまでの道のりを紹介いたします!

企業で働く傍ら、社会人ドクターとして博士号を取得しました。
学位を取得するまでの道のりを修了要件を含めながら紹介いたします!

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学位取得に向けた方針

企業での業務をこなしながら、社会人ドクターを進めるにあたって、以下の方針で推進することに決めました。

方針

  • 社会人ドクター入学前に対外発表業績を用意する
  • 学会発表の余裕がないため、積極的に雑誌論文に投稿する
  • M2→D1に空白の一年の間も研究活動を継続する

社会人ドクター入学前に対外発表業績を用意する

博士後期課程修了のためには、対外発表の実績が必要となります。
私の大学では査読付き雑誌論文が3本必要でした。
また、査読付き雑誌論文はレター論文も含まれるため、こちらも積極的に活用しました・

社会人になってから対外発表実績すべてを用意することは困難であるため、入学前に雑誌論文の採録実績を作れるように、論文投稿を進めました。

一方、私の大学では博士後期課程の修了要件に「在学中に雑誌論文が1本出版される」があるため、これを満たすように論文投稿を進めました。

学会発表の余裕がないため、積極的に雑誌論文に投稿する

社会人ドクターには学会発表を行う余裕があまりないため、積極的に雑誌論文に投稿を行いました。
学会発表を経ずに、直接雑誌論文に投稿したものもあります。

結果、私の雑誌論文実績は以下のようになりました。

  • フルペーパ論文:3本
  • レター論文:2本

投稿論文でキャリアを売り込め では「投稿論文がキャリア形成に役立つ」と紹介されており、こちらをモチベーションに論文投稿に励んでいました。

M2→D1に空白の一年の間も研究活動を継続する

勤め先の企業に許可をいただくため、M2からD1に直接進学することができず、1年空けることになりました。
この期間も大学の先生のご協力を頂きながら、研究活動を継続しました。

結果、早期修了制度を活用し、ドクターの期間を2年で卒業、ストレート3年の博士後期課程と同一の期間にて卒業することができました。

学位取得までの時系列

私が学位を取得するまでの時系列を紹介いたします。

学位取得に関する時系列に関しては、「M2→空白の一年間→D1→D2」の4年間が重要であったと振り返っています。

その節々において、役に立った書籍がありますので、合わせて紹介させていただきます。

M2

7月:1本目のフルペーパ論文投稿

和文雑誌に1本目のフルペーパ論文を投稿しました。
M2の間にメインとして取り組んでいた内容を雑誌論文として投稿しました。
このあたりから、社会人ドクターへの進学を意識し始め、計画を立て始めました。

初めて雑誌論文を執筆するにあたって、 理科系の作文技術 を参考にしました。
論文の書き方の具体的方法が紹介されており、今後の雑誌論文投稿に非常に役立ちました。

12月:1本目のフルペーパ論文条件付き採録、2本目レター論文・3本目フルペーパ論文投稿

1本目のフルペーパ論文が条件付きにて採録されました。
修正箇所は広範囲でしたが、すべて修正・再実験を行い、再投稿しました。

2本目のレター論文を投稿しました。
こちらは先輩の方から引き継いだ研究を発展させ、レター論文として投稿しました。

追加で、3本目のフルペーパ論文を投稿しました。
こちらはM2の間にメインとして取り組んでいた研究の発展内容をフルペーパ論文投稿の特集号に投稿しました。

2月:1本目のフルペーパ論文採録、3本目フルペーパ論文リジェクト

1本目のフルペーパ論文が採録、初めての論文採録されました。

一方、3本目のフルペーパ論文がリジェクトとなりました。
「研究アイデア自体は悪くないが、実験内容を詰めるように」とご指摘を受けました。
基本的にはポジティブな内容の査読結果ではありましたが、特集号は期日が厳しいため、期日内に修正が困難と判断され、リジェクトとなりました。

3月:2本目のレター論文条件付き採録・採録通知、3本目フルペーパ再投稿

2本目のレター論文が条件付き採録されました。
論文内容は問題なく、文言の修正の指摘を受けました。
再投稿したその月内に採録通知を受けました。

3本目のフルペーパ論文を再投稿しました。
2月に受けたリジェクト理由を修正し、再投稿しました。

空白の一年

6月:4本目レター論文投稿

4本目のレター論文を投稿しました。
こちらはM2のときに国際発表した研究成果をレター論文として投稿したものでした。

この辺りで 学びを結果に変えるアウトプット大全 を読みました。
「学びを結果としてアウトプットする」の最たる例が雑誌論文投稿であり、非常にモチベーションの上がる一冊でした。

8月:3本目フルペーパ論文条件付き採録

2月のリジェクト事由を修正した結果、フルペーパ論文が条件付き採録されました。
文言の修正受け、論文を再修正して再投稿しました。

9月:3本目フルペーパ論文採録、4本目レター論文採録

3本目のフルペーパ論文が採録されました。

4本目のレター論文が採録されました
条件付きではなく、一発で採録であったため、非常に気持ちよかったです。

11月:博士後期課程入学試験

ここで初めて、博士後期課程のトピックとなります。
入学書類を取り寄せ・提出しました。
入学試験ではこれまでの研究成果と博士後期課程での研究計画を発表しました。

この辺りで、 筋トレが最強のソリューションである に出会いジムに通うようになりました。
社会人ドクターを進めるにはタフな体が必要であり、非常に良い取り組みになりました。

2月:5本目フルペーパ論文投稿

5本目のフルペーパ論文を投稿しました。
こちらが最後の雑誌論文となります。
博士後期課程の修了要件には「在学中に雑誌論文が1本出版される」ことが含まれるため、この条件をみたすように投稿しました。

D1

4月:博士後期課程入学、5本目フルペーパ論文条件付き採録

博士前期課程(修士)と同様の研究室にお世話になることになりました。

5本目のフルペーパ論文が条件付き採録されました。
実験内容の追加など、指摘範囲は広範囲に渡り、修正にはかなり時間を要しました。
その後、再投稿しました。

6月:5本目フルペーパ論文採録

5本目のフルペーパ論文が採録されました。
この時点にて、博士後期課程の対外発表に関する要件を満たすことができました。

3月:学内研究報告会

現時点での研究成果を学内向けに発表しました。
主には雑誌論文に採録されいている内容と社会人ドクターにて進めていた研究内容を報告しました。

D2

7月:博士論文執筆開始

早めに博士論文の執筆を開始しました。
博士論文のストーリー一貫性のため、これまでの研究成果をまとめつつ、一本の論文に仕上げる作業を進めました。

この辺りで真面目に文章を書く手段を 「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 にて学びました。
ストーリーに一貫性を持たせる必要があるため、抽象度を上げた議論が必要でありました。
この本にて、そのあたりの文章術を学びました。

11月:学内研究報告会

早期修了のための学内向け研究成果報告を行いました。
ここで早期修了可否の判定が行われます。

この発表にて、審査の教授の方々から、博士論文骨子がわかりにくいのご指摘を受けました。
一番伝わる説明の順番 を参考にして、博士論文の伝えたい事が分かる構成に修正しました。

1月:博士論文完成

7月から取り組んだ博士論文を書き上げました。
学内研究報告会で先生方から頂いた添削結果を反映させました。

2月:最終報告会

学位審査のための学内の最終報告会を迎えました。
発表を終え、無事学位授与が正式に認められました。

3月:学位授与

博士(工学)の学位を授与されました。

まとめ

以上、私の学位取得までの道のりでした

最後に、私の道のりの考察を紹介させていただきます。

道のりの考察

  • M2・D入学前に早め早めに行動してきたのが効果的であった
  • 各場面に応じて求められるスキルが異なり、それに応じた技術を本で学んだ
  • 学位取得の達成感は素晴らしかった
  • この記事を書いた人

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